引っ込み思案な恋心。-2nd
「あっ、柚も映美佳も綱引きなんだ〜。なかなかいいチョイスだね」
黒板にチョークで自分の名前を書いていると、後ろからあゆに声をかけられた。
「あゆ…。私ホントに映美佳の言う通りにしただけなんだけど。良かったのかな…?」
「え?綱引きしたくないの?」
「いや、綱引き頑張るっ!すごく嬉しい」
確かに私も体育委員が種目書いてる時から、綱引きがちょっと気にはなってたけど…
でもまさか、自分が本当に綱引きができるなんて、思ってもいなかった。
すると腕を組んで少し考えていたあゆが口を開いた。
「このまま映美佳に合わせて手を挙げてみなよ。たぶん映美佳、柚の本音…というか、心の奥でやりたいと思ってる種目に手を挙げてるんじゃないかな?さすが小学校からの友達だよねー」
「え…?」
映美佳…、そんなことまで計算してたの?
私はいつも、周りの手を挙げる様子だけ見て考えてたけど…
映美佳はもっと色んなことを考えながら種目を選んでたんだ。
しかもその映美佳の考えを読んだあゆもかなりスゴイと思う。。。
「じゃあ次は…、むかで競争!」
次に映美佳が手を挙げたのは、このタイミング。
えええーーー?
私…、むかで競争は本気でパスしたかったんだけど。。。
そうは思ってもやっぱり反射的に、私も手を挙げてしまっていた。