引っ込み思案な恋心。-2nd
「ちょっと拓…!ここ学校だよ?」
「え?いーじゃん。柚に触れたいなーと思ったから触れただけ」
「TPOわきまえてよ」
「は?何それ?PTA???」
「…もういいよ」
まだ夏の暑さが残るグラウンドで、多くの生徒が砂埃を立てて汗を流している。
こんな状況で手をつなぐのはいけないって分かるけど……
それでも拓の手は相変わらず優しくてあたたかい。
見つかったらいけないけど…
私も、もう少しだけこのままでいたいと思った。
「あっ、アレ見てみろよ。マサと馬場がいる!」
「あ…、ホントだ」
「そーいや馬場も障害物だったような…。二人とも楽しそうに練習してんじゃん」