引っ込み思案な恋心。-2nd
「でも、勉強会のメンバーがきれいに3人ずつ分かれたよね。あゆも部活の仲間と同じクラスになったみたいだけど、私と映美佳と行動してくれるって言ってたし」
「エミカ……、ああ、柚の小学校ん時からのダチだっけ?」
「うん、小谷映美佳。丸3年ぶりにやっと同じクラスになれたんだー」
「そうそう、小谷だ!…もしまた勉強会やる機会があったら、小谷も誘ったらいいんじゃねぇ?」
「え?いいの…?」
「柚のダチだし問題ねーだろ。それに見た感じ小谷、すげーしっかりしてたし」
「うん…!じゃあ今度また誘ってみるね」
「しかし多田も部活のメンバーとの折り合いがあって大変だな〜」
今日もつないだ手が温かい。
手をつなぐ時はいつも、ちょっと恥ずかしくてドキドキするけど、こうやって伝わってくる体温にも拓の想いを感じる。
私は…、この手から拓にこの想い、伝わってるかな?
「あゆ…、ホントは部活の友達のところに行くんじゃないかと思って、ちょっと不安だったんだ」
「多田は柚を放っておくようなヤツじゃねーだろ。そんなコトしたらむしろ、俺が黙っちゃいねえけどな」
「なんか…拓がすごく頼もしく見えてきた」
「だろだろ?多田のことじゃなくても何かあったらすぐ言えよ?2組の教室に乗り込んでってやるから」
「あはは。ありがとう。…そうだね、あゆのコトは、きっともう大丈夫だね」
「アイツまた学級委員になったんじゃねえの?」
「え?何で分かったの?」
「どんだけ好きなんだよ、学級委員」
「はははっ!」
拓に相談すると、自分の悩みがあっという間に吹き飛んでしまう気がする。
今まで悩んでいたのは何だったんだろう…ってぐらい。
こんな時、拓が彼氏で良かった…って思えるんだよね。