引っ込み思案な恋心。-2nd
02☆ドキドキと沈黙とすれ違い
―――――
――
「あ〜、やっぱ柚の教え方、分かりやすい♪これで中間テストはクリア間違いなしだねぇー」
「あかねちゃんったら。そんなこと言ってるけど、4月の学力テスト全然ダメで落ち込んでたじゃん」
「それは言わないでぇ、ななっぺ」
5月になり、だいぶ自分のクラスの雰囲気にも慣れ始めた頃…
そんな中間テストの前日。
私達はいつものように、拓の家で勉強会を開いた。
ただ、いつも通りじゃないことが一つ…。
「でもこの前の学力テスト、珍しく柚が沈んでたよね」
「うわっ!映美佳、秘密にしててって言ったのに…」
いつもの6人のメンバーに、映美佳が加わったんだ。
けど、やっと勉強会がお開きってところで、いきなり映美佳に私の成績が下がったことを暴露されちゃったよ。。。
「マジかよ、柚!秘密事はナシだぞー」
「あはは、瀬川がマジで怒ってる。実はアンタの影響受けちゃったからじゃないの〜?」
映美佳の暴露を聞いた拓には責められちゃうし、それを見ていたあゆは大笑いしてるし…。
なんか、弁解しないとヤバイ状況になってるよ。。。
「うん…、ちょっと……3位ぐらい下がってて…」
「それでも3位だけかよ!?俺なんてフツーに10位以上下がる時あるぞ?」
「それ、自慢にならないから、瀬川」
ななっぺに突っ込まれた拓は、一瞬苦笑いしたけど、また私の顔を真剣に見てきた。
「ちょっとぐらいの成績の上がり下がりぐらい、みんな普通にあるだろ?気にしてたらキリがないと思うけど」
「そうだよね。次の中間テストを頑張ればいいよね」
「そーそー。挽回のチャンスはどこにでもある!」
拓にそう言われて、私は次こそ成績を元に戻そうと心に誓った。