引っ込み思案な恋心。-2nd





拓が指で優しく私の涙をぬぐってくれた。






やっと拓の顔がちゃんと見れた。





あ…、笑ってる。








「柚、帰ろ。送るから。とりあえず教室帰って制服着替えよーぜ。あと…、馬場とか小谷とか心配してたから、ちゃんと電話しとけよ」



「……あっ!今何時!?」



「あ〜、何時だろ?腹減ったから5時半過ぎてるな」



「何で腹時計…?」






昨日から苦しかったけど…、やっと笑うことができた。






松沢さんにキツイ言葉をたくさん言われたけど、きっとそれが私が周りに思われていることだと思うから…






長い時間をかけて松沢さんに分かってもらえたように、私はとりあえず自分に接する人に関しては本当の自分の姿を見てもらえるように頑張ろうと思う。






いち早く本当の私に気付いてくれた拓のためにも……





もっともっと、『私らしく』過ごしていこうと思った。













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