引っ込み思案な恋心。-2nd
「おいっ!いくら馬場が女子だからって、それ以上柚に近付いたら許さねえからなー」
「あーあ。彼氏に怒られちゃった〜」
「つーか馬場!そこまで言ったなら全部報告しろよ!気になって逆に勉強できねーし!」
「手短にって言ったのは瀬川でしょー?まっ、言われなくても今から言うつもりだったけどねぇ〜」
いきなり私の身体があかねちゃんから離れたと思ったら、今度は拓にがっちりと肩を抱かれていた。
…何か…私の身体、忙しいなあ。。。
「いや〜、長い道のりだったけどね、この前の終業式が終わった後に勇気出して告白したんだよ」
「終業式、クリスマスの日だったもんね。それも狙ってたんだ?」
「さすが映美佳だね〜。まああとは、今年中にケリつけたかったとゆーか……」
「へー。でもよく倉本がOKしたよね」
「……2学期になってからコイツがあまりにしつこく話しかけてくるから、さすがに薄々気付くだろ。別のクラスなのに、あんな毎日話しかけられたら……」
映美佳の問いかけに、ずっと携帯の画面を見つめていた倉本くんが、やっと指の動きを止めてみんなの方を見てくれた。
「…根負けしたってこと?」
「まあな。杉田のことも拓の彼女として見れるようになってきたから、いいかと思って」
「そうだね…、あの夏休みの時の騒動は忘れられないよね、ななっぺ」
「うん。あれから数か月しか経ってないのに、この変化はかなりすごいよねー」