引っ込み思案な恋心。-2nd
―――――
――
年が明け、3学期が始まった。
1月半ばになったある日の放課後。
帰りのHRが終わって担任の先生が教室を出た途端、拓がすごい勢いで後ろのドアからうちの教室に入ってきて、たまたま廊下側の後ろの方の席に座っていた私の肩を叩いてきた。
「わっ…!拓!?びっくりしたー」
「ちょっと柚に渡したいものあってさ。コレ…。親に小遣い前借りするのに手間取って遅くなったけど受け取って」
「え?何コレ…?」
拓が私の手に強引に握り込ませてきたのは、ピンクの紙でラッピングされた小さな箱だった。
私へのプレゼント?
でも…誕生日じゃないし……。
「中見たら分かるから!それじゃあ俺、部活行くから!じゃーな」
「え!?拓…?」
一瞬のうちに教室から出て行った拓の後ろ姿を唖然としながら見送っていると、近くの席にいたあゆが声をかけてきた。
「柚、瀬川に何もらったの?」
「え…、何か、『中見たら分かる』って言われて…。よく分かんないんだけど」
「開けてみてよ!私も部活行く前に知りたいなー」
「あ、うん……」
あゆに笑顔でそう言われたら、開けてみようかな…。
私も中身が気になるし。
私はラッピングされた包み紙を丁寧に外して、中から出てきた白い箱を開けた。
するとそこには……