引っ込み思案な恋心。-2nd





「シルバーのブレスレットじゃん!しかも瀬川にしてはセンスあるね。小さな花の飾りが散りばめられてる所が柚っぽい感じするし」



「何何?どうしたの?」



「あっ、映美佳!柚が瀬川からプレゼントもらったんだって。見てよ、コレ」



「へぇ〜。かわいいブレスレット。これ、瀬川が選んだの?やるじゃん」






後から帰りの準備を終えた映美佳も加わってきて、あゆと一緒に箱の中身を見ていた。






私はと言うと……





びっくりしすぎて、言葉にならない。






何で拓が急に、私にプレゼントなんて……。






「あっ、手紙入ってるじゃん。『中見たら分かる』ってコレのことじゃない?」



「え…?あ、ホントだ。あゆ、ありがとう」






箱の底から雑に折りたたまれた一枚の紙切れを取り出して私に差し出してくれたあゆにお礼を言って、私はゆっくりとその紙を開けた。








『ゆずへ



オレたち付き合って1年立つから紀年にこれをおくろうと思う。

受けとって。

そしてつけてくれたらうれしい。



            拓』








「相変わらず漢字の間違いは激しいね〜。柚、ちゃんと瀬川に教えてあげなよ」



「でも1年記念のプレゼントだったんだね。そっかあ、もう柚達が付き合いだして1年も経つのかぁ」



「1年記念……」






手紙を読んで、やっと私達が付き合い始めて1年過ぎたことを知った。






…というか、拓はちゃんと覚えてくれていたのに、私は忘れてるなんて……、なんか申し訳ない。。。





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