引っ込み思案な恋心。-2nd
何人か終わった後に私の番になり、遠藤くんの次に答えた女子が言っていた曲をとっさに言うと、あゆが「おっ、この曲人気あるねぇ」なんて呑気なことを言いながら黒板に正の字を書き始めた。
よかった…。
かぶってもOKだったんだ。
本当はもうちょっと考えてから言いたかったけど、あゆいきなり私の列から差すんだもん。
このクラスにもだいぶ慣れたけど、未だに突然差されると、小パニックになってしまう。
こんなに大勢の人の前で発言するのって、ものすごく勇気がいるよ。。。
それから順調に集計は進んでいき…、20分後、結局私が挙げた曲が一番の票を獲得し、うちのクラスの自由曲として候補に挙がることになった。
「一応第5希望まで自由曲の候補を挙げないといけないらしーので、票の獲得順で第5希望まで埋めときまーす。それで次は……、実行委員か」
「うちのクラスって合唱部員とかいなかったよな?」
「そーだね。希望者いない?クラスで一人出さないといけないんだけど……」
あゆは壇上で男子の学級委員と首をひねった後、クラスに向かって希望者を聞いてみたけど……
誰も手を挙げる気配がない。
このクラスは、休み時間には割と騒がしいのに、こんな時に限って教室中がシーンと静まり返る。