引っ込み思案な恋心。-2nd
「…杉田さん?みんな時間ないと思うから、早く選んでもらえると助かるんだけど……」
「え、あ…、すみません。じゃあ……アナウンスで…」
色々悩んでいると音楽の先生に急かされて、渋々『アナウンス』と言った途端、横からななっぺの「え!?」という声が聞こえてきた。
「…細井さん、どうかしましたか?」
「あ、いえ…、何でもないです……」
その声を音楽の先生に聞かれてしまって、ななっぺは少し慌ててたけど、また私にメモ書きを渡してきた。
『大丈夫?宣言の方がさっさと終わるからそっち取るかと思ったのに』
ああ…、それでななっぺ、驚いてたのか。
確かに、宣言は一言、『始めます』と『終わります』を言うだけだと思う。
でも、壇上に上ってみんなの前で注目を受けながら言わないといけないから、絶対緊張すると思った。
アナウンスはいちいちみんなの前に出て言わなくてもいいと思ったんだけど…、確かに最初から最後まで話さないといけないし、もしかして大変なのはコッチだった…!?
でもさすがにもう変えられないし。
「あと、実行委員の人は保護者の椅子並べとか前日の会場作り、あとは…まだできてないけど、体育館で本番さながらに練習したいクラスもあると思うので、体育館の練習割なんかもまた配ろうと思います。今日のところはこれで終わり。お疲れ様でした」
音楽の先生が視聴覚室を出て行った後、いきなりななっぺから肩を叩かれた。