引っ込み思案な恋心。-2nd
「ちょっと柚!あれで良かったの?アナウンスとか…、何日も前から台本に目を通さないといけないし、本気で忙しいじゃん。自分からそんなの取ってどうするの?」
「あ…、うん。後からちょっと大変かもとか思っちゃった……」
「それに…、みんなの前に姿を見せるような仕事じゃないけど、トチったらやっぱり注目浴びちゃうよ?本当に大丈夫?」
「頑張る……しかない……」
そんなこと言われると、余計に弱気になっちゃうよ。
私だって、こんな仕事向いてないことぐらい最初から分かってるのに…
でもこんなのしか残ってなかったし。
すると、ななっぺは諦めたようなため息をついた。
「まあ…、ジャンケンで負けちゃったから仕方ないよね。とりあえず明日一番にあゆに相談して、あんまりクラスから責められないような言い方考えなよ。柚のアナウンスの仕事はどうにかなるにしても、歌う順番はさすがに柚だけの問題じゃないから……」
「うん…、そうする」
「不安だったら…、瀬川にも話聞いてもらいなよ。いくら別のクラスと言っても、柚が窮地に立たされてるんだから励ましてはもらえると思うし……」
「ありがとう…」
なんか…、またななっぺの心配の種を増やしてしまったような……。
だけど、ここまで本気で心配してくれてるんだから、ちょっとは頑張らないといけないよね。
不本意で決まったとはいえ、私は一応クラスの代表なんだし。
ここまで決まっちゃったら、後は進むしかない。
すると、ななっぺが少しだけ微笑んでくれた気がした。