引っ込み思案な恋心。-2nd





「ちょっと柚!あれで良かったの?アナウンスとか…、何日も前から台本に目を通さないといけないし、本気で忙しいじゃん。自分からそんなの取ってどうするの?」



「あ…、うん。後からちょっと大変かもとか思っちゃった……」



「それに…、みんなの前に姿を見せるような仕事じゃないけど、トチったらやっぱり注目浴びちゃうよ?本当に大丈夫?」



「頑張る……しかない……」






そんなこと言われると、余計に弱気になっちゃうよ。






私だって、こんな仕事向いてないことぐらい最初から分かってるのに…





でもこんなのしか残ってなかったし。






すると、ななっぺは諦めたようなため息をついた。






「まあ…、ジャンケンで負けちゃったから仕方ないよね。とりあえず明日一番にあゆに相談して、あんまりクラスから責められないような言い方考えなよ。柚のアナウンスの仕事はどうにかなるにしても、歌う順番はさすがに柚だけの問題じゃないから……」



「うん…、そうする」



「不安だったら…、瀬川にも話聞いてもらいなよ。いくら別のクラスと言っても、柚が窮地に立たされてるんだから励ましてはもらえると思うし……」



「ありがとう…」






なんか…、またななっぺの心配の種を増やしてしまったような……。






だけど、ここまで本気で心配してくれてるんだから、ちょっとは頑張らないといけないよね。






不本意で決まったとはいえ、私は一応クラスの代表なんだし。






ここまで決まっちゃったら、後は進むしかない。








すると、ななっぺが少しだけ微笑んでくれた気がした。





< 219 / 270 >

この作品をシェア

pagetop