引っ込み思案な恋心。-2nd





さすがにクラスが違う拓が出ていくわけにはいかないよね。





それは分かってる。





分かってるからこそ……、不安なんだ。






「昨日、俺も部活で疲れてすぐに寝ちゃったから、柚の話聞いてやれなかったな。…ごめん」



「あ、ううん。私もあかねちゃんから電話かかってきて、長話しちゃったから……」



「馬場の方がよく柚のコト分かってんじゃねえか。俺、更に落ち込んだかも…」



「えっと…、あとまだ報告することがあるんだけど…」



「まだあんの?」






なんか…、拓のテンションまで下がっちゃったみたいだけど、私はまだ言わないといけないことがある。






そう。



曲順の直後に決まった話。






「本番で進行のアナウンスすることになっちゃって……」



「………はぁっ!?アナウンス?柚…、できんのか?」






やっぱり……、昨日のななっぺ、そして電話のあかねちゃんと、同じ反応されてる気がする。






拓がすごく不安そうな顔でこっちを見てるよ。。。






「…私もみんなの前で話せるか不安だけど……、やるしかないよ」



「俺的には、つまんねえ合唱コンクールで通して柚の声聞けるのは嬉しいけど…、噛んだら変に見られるだろうし、キツくねえか?」



「頑張る……」






それしか言えない。





不安なのは、拓以上に私自身が一番感じてる。






すると……





< 223 / 270 >

この作品をシェア

pagetop