引っ込み思案な恋心。-2nd
「…マジで嬉しいんだけど」
やっと唇を離してくれた拓が初めに言った一言に、私はまた照れてしまった。
確かにドキドキが止まらなかったけど…
すごく優しくて、穏やかで、濃厚な瞬間だった。
何で今まで拒絶してたんだろうというくらい……。
「もしかして…、心の準備まだだった?」
「でも何か、大丈夫だったみたい……」
やっと拓の顔を見ると、拓は優しく笑いながら私の頭をなでてくれた。
胸のドキドキが、少しずつ穏やかになっていくのを感じる。
「なんでだろう、柚が可愛く見える」
「え…」
「俺ら…、またちょっと進めたかな?」
「うん……」
体中の熱が上がってくるのが分かる。
だけど…、それはきっと心地よい熱。
こんなにドキドキしたら、どうにかなっちゃうんじゃないかと思ってたんだけど、すごく不思議……
もう一度、このドキドキを感じたいと思ってしまった。
「暗くなってくるからそろそろ帰るかぁ」
「え?」
そう言いながら拓が私から身体を離して立ち上がった…んだけど。
「柚…?」
「あ、ごめん……」
何で私、座り込んだまましっかり拓の手を掴んじゃってるんだろう?
これじゃあさっきのキスが良かったって言ってるようなものじゃん。。。