引っ込み思案な恋心。-2nd
すぐに恥ずかしさがこみ上げてきたから、とっさに拓の手を離してカバンを持ってスクっと立ち上がったら、拓がクククっと笑い始めた。
「ごめんって言ったじゃん。笑わないでよ。帰ろ?」
「あはははは…。おもしれー。そんなに俺と離れたくない?」
「意地悪言わないでよ…」
「柚の気持ちはよーーく分かったから!」
そう言って笑いながら、拓は私の肩を掴んだ。
そして……
一瞬だけ唇が触れ合うようなキスをしてきて、すぐに部屋のドアを開けた。
び、、、びっくりした…。
今のは不意打ちだよ。
でも…、やっぱり嬉しいと思ってる私って…おかしいかな???
「外は寒いから、マフラーしろよ」
「あ、ちょっと待ってよー」
拓が足早に部屋を出て玄関に向かう。
私はカバンからマフラーを取り出しながら拓の大きな背中を追いかけた。
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