引っ込み思案な恋心。-2nd
「…柚?寒い?」
「ううん。拓の手があったかいから、平気」
「俺の手は柚をあっためるためにあるからな〜」
「はははっ。いつものセリフだー」
今、この瞬間を大切に思おう。
拓とこうして笑い合える時間を──。
「俺、柚のこと好き」
「私も…、拓のこと好きだよ」
普段なら少しだけ恥ずかしい言葉も、キスした後なら言える。
…とっても不思議なことだと思う。
すると私の手を握り締める拓の手に、少しだけ力が加わった。
「柚のこと好きになってよかった〜」
すごくいい笑顔でそう言った拓を横から見上げて、私も拓を好きになって良かったと…心からそう思った。
…これからもきっと、二人で歩いていけるよね?
ずっとずっと、拓の隣で──。
*fin*