引っ込み思案な恋心。-2nd

―――――
――








どうして…




どうして、こんなことになっちゃったんだろう?







私が悪かったの…?





拓のことが怖くて、ぶって逃げたりしちゃったから?





でも…、あの時、どうしたらいいのか全然分からなかったのに。










走って家まで帰ったことなんて、ほとんどなかった。





でも……苦しくて、辛くて。





ドロドロと心の底から込み上げてくるそんな想いを振り切りたかった。














「……ずっ!柚!!待ってよーっ」






聞き覚えのある声が後ろから私を呼んでいた気がして、私は足を止めて後ろを振り返った。






すると、そこには……








「はぁ、はぁ。柚、意外と足速いじゃん。その走りを体育とかで生かせばいいのに〜。……映美佳、大丈夫?」



「マジ息切れ。どうしたの?柚がうちらに気付かず走って帰るなんて…」






走って私を追いかけてきたと思われる、あかねちゃんと映美佳の姿がそこにあった。






……そっか。




私、急いで帰ることに集中し過ぎて、先に同じ道を帰っていた二人を気付かず追い越しちゃってたんだ…。






「あかねちゃん…、映美佳…」



「…てかさぁ、瀬川はどーしたの?一緒じゃなかったの???」



「それが……」






せっかくあかねちゃんが心配して聞いてくれてるのに、説明しなきゃ。






説明……、どうやって???




どこからどこまで話せばいいの?







「もしかして…、ケンカした?」





映美佳にもそう聞かれたけど、私は下を向いて何も言えなかった。






ケンカ……




ケンカっていうの?あれも??





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