引っ込み思案な恋心。-2nd

―――――
――








私達の出身のM小学校の近くにある喫茶店。





映美佳と二人で…とか、あかねちゃんと二人でなら、何回か来たことがある気がするけど……





3人でここに来たのは、どれくらいぶりだろう…?





去年の夏休み以来かな?





あの時私達は、どんな話をしてたっけ?





きっと、楽しい話をしていたに違いないと思う。





なのに、今日は……









「柚、話せる?瀬川と何かあったの?」



「無理に話すことないよ。話せるタイミングでいいから」






私の前に、氷の入ったアイスティーが置かれた。





この喫茶店に入ったら、アイスティーばっかり頼んでいた気がする。





それくらい好きなアイスティーだけど、さすがに今は進んで手を伸ばせる気分じゃなかった。






今もまだ、私の心の中を支配している拓の一言。







『帰ってくれないか』







一人で帰ることが、こんなに寂しいことだなんて、思わなかった。






友達がいなかった時は普通に一人で帰っていたハズなのに……





拓と帰るようになり始めて、時間が短く感じるくらいに、話しながら帰る楽しさを知った。





だからこそ、こんな時の孤独が辛い。







「…私、拓のこと、ガッカリさせちゃったのかな…」






隣に座る映美佳と向かいの席に座るあかねちゃんが見つめてくる中、最初にポツリと出た言葉がそれだった。






「…ん?柚が瀬川に何かやらかしちゃったってコト?」






あかねちゃんの問いに、私は首を横に振った。





< 31 / 270 >

この作品をシェア

pagetop