引っ込み思案な恋心。-2nd
あゆとななっぺと拓は、私やあかねちゃんとは別の、Y小学校出身で、ななっぺは小学校の時から拓のことを密かに想い続けていたらしい。
そして、私と拓が付き合い始める前の、1年生の時の秋。
ななっぺは拓に告白したんだけど、その時拓はすでに私のことが気になっていたみたいで、断られたんだ。
その出来事がきっかけで私とななっぺの友情に亀裂が入りそうになったこともあった。
だけど最終的にななっぺは、私と拓の仲を取り持ってくれた。
もちろん、ななっぺのことは信じてる。
だけど…ななっぺと拓が同じクラスで、私だけ別のクラスなんて…。
本音を言えば、不安がよぎらないわけではない。
「そーだよ?更に私がちゃんと二重で監視しとくからさっ」
「え……」
いきなりあかねちゃんに耳打ちでそんなことを言われた。
少しビックリしたけど…、でもここは同じクラスのあかねちゃんにまかせるしかない……よね?
「それより柚は早く2組に行ってあゆを探した方がいーんじゃない?あゆは部活やってて交友関係広いからさ、あゆが他の友達に囲まれてたら、柚近付けなくて困るでしょー?」
「あ、そっか…」
そして続けてあかねちゃんに言われて、ハッとした。
…そうだよ、拓とななっぺのことじゃなくて……
まず、自分のことを心配しなきゃ!
とにかく…あゆを早く探そう!
あゆの部活の友達は私の知らない人ばかりだし、また例の人見知りが出ちゃうかもしれない。