引っ込み思案な恋心。-2nd
私がただただ驚いていると、更に倉本くんはこう言った。
「優先すべきことを考えろよ。それだけの頭があるんだから。テストはもう明日しかない。けど、拓とはいつでも話せる」
「でも…、今日拓と話さないわけにはいかないよ」
「…何があったか別にもう聞かねえけど、お前がそんなに話したくて焦ってるのに、当の拓はそんなの全然気付かずにゲームしてんだぞ?拓にとっては大したことじゃないんじゃねーの?」
「え?」
昨日、あんなことがあったのに、拓にとっては大したことじゃない…!?
でも確かに、拓の方から何も言ってこないってことは……
本当に倉本くんが言う通り、昨日の出来事を何とも思ってないのか…
もしくは、意図的に避けられてしまってるのか…
…ってコトになるよね……?
「…………」
何も言い返せなかった。
どっちにしろ、今は話し合うべきじゃないのかもしれない。
拓が私と話すことを本気で望んでないのなら…。
「…答え、出た?」
「…うん。とりあえず帰って勉強する」
倉本くんにそう答えると、倉本くんはしばらく考えてから急に何か思い付いた表情をした。