引っ込み思案な恋心。-2nd
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「はぁっ!?倉本に会ったぁ???」
「ちょ…っ、あゆ!声が大きいよ」
「あ、ごめんごめん」
翌日。
残りのテストの日程をすべて終え、授業を1時間した後、昼休みになった。
そこで初めて、映美佳とあゆに昨日の出来事を話したんだけど……
「でも倉本と柚が二人で話してる様子なんてさ…、想像つかないじゃない、映美佳」
「まあ…、同じクラスになって1か月以上経つけど、確かに見たことないね。この前の勉強会も、柚が勉強教える時以外は雑談すらしてなかったよね?」
あゆと映美佳が、不思議そうに私の方を見てきた。
…そうだよね、やっぱり。
私自身が一番、こんな展開に驚いてるんだけど。。。
こんな時に拓じゃなくて倉本くんと話しちゃったことなんて。
「しっかし、瀬川も瀬川だよね〜。テストはまだ終わってなかったのに、何で友達の家でゲームなんてしてんのよ。マジ信じらんない」
「…なんかさ、柚を避けてるようにしか思えないんだけど…」
「…え?」
あゆが拓を軽く非難していたけど、対して映美佳は少し考え込むような素振りを見せながらそんなことを言い出した。
…私も少しだけ、そんなことを考えていた。
だけど、考えたくもなかった。
拓が私を避けているだなんて……
怖くて…、そんな考えも、浮かんではすぐに頭の端に消していた。