引っ込み思案な恋心。-2nd
窓からはグラウンドが一望できて、いつもの昼休みの風景が見える。
バスケをしたり、サッカーをしたり……
球技にいそしむ男子達の中に、一際大声で叫びながらドッジボールをしている拓の姿を見つけた。
「あーーーっ!アイツ、柚に謝らずにあんな所で…」
「だからあゆ、声が大きいよ…」
私と同じくグラウンドの人混みから拓の姿を見つけたらしいあゆは、今にも怒り狂いそうな表情で窓を開けようとしていた。
もしかしてあゆ、ここから拓に向かってこの怒りを叫ぼうとしてる…!?
「ちょっとあゆ!やめて!叫ばなくていいから」
「止めないでよ!マジで許せないっ!」
「あゆ!!ホントにいいってば!」
私は慌ててあゆの動きを止めようとした。
あゆまで巻き込んで…、これ以上大ごとにはできないよ…!
「あれー?あゆ、何やってんの〜???」
「あっ、あかねちゃん」
映美佳も加わり必死にあゆの腕をつかんでいたら、いつの間にかその後ろであかねちゃんがキョトンとしながら立っていた。
「ごめん、勝手に教室入っちゃった。テスト返ってきた?どーだった???」
「それどころじゃないよ、あかねちゃん!!」
「え〜?…ってかさぁ、コレ、瀬川から柚にって預かったんだけど……」
「「「えっ!?」」」
あかねちゃんのその言葉を聞いて、私達3人の動きがピタリと止まった。
拓から…、私に???