引っ込み思案な恋心。-2nd
「あれからどーなったの?柚、瀬川ん家に行ったんでしょ?何で私が瀬川からこんなの預からないと……って、あれ?」
「コレって柚への返事じゃない!?」
映美佳がすぐにあかねちゃんの持っていた紙切れを奪い取って、私の目の前に差し出してきた。
確かに…『ゆずへ』って、拓の字で書いてある。
「そうかもしれない…」
私はそうつぶやいて、映美佳から紙切れを受け取り、不器用に折りたたまれていた中身を開けた。
『ゆずへ
ごめん。
油の気待ちも考えずに、オレどうかしてた。
今油のそばにいると、また同じことするかもしれない。
だから今は小し考えさせてくれ。
心ず油と中直りしたいと思てる。
ゆずといっしょに返りたい。
オレも油の考えと同じだから。
まっててほしい。
拓』
「あぶらのきまち…?何、コレ???」
「『柚の気持ち』って書こうと思ったんじゃ…。瀬川、どんだけバカ…?」
「フツー彼女の名前間違える〜?信じらんない……」
私の横から拓からの手紙をのぞいていた映美佳とあゆとあかねちゃんは、3人で言いたい放題言ってたけど、当の私は何度も何度もこの手紙を読み返していた。