引っ込み思案な恋心。-2nd
04☆ライバル宣言!

―――――
――










「柚、中間の成績どうだった?」



「うん。何とか前の順位を取り戻したよ」



「さすが柚だね〜。瀬川と色々あったのに…」






中間テストが終わって1週間後。






4時間目に中間テストの成績表が返ってきて、その結果を見た後の昼休みに、映美佳が話しかけてきた。






確かに…テスト期間中に、拓と距離を取らなければならないほどの出来事が起こった。






だけど、周りのみんなが私を励ましてくれたから…





私は4月の学力テストで下がった順位の分をそのまま上げることができた。








「…あれ?映美佳、あゆはどこ行ったの?給食の時はいたのに……」



「ああ…、バスケ部の会合だってさ」



「そっか」



「あーあ。降り始めたみたいだね」






今日は朝からどんより曇り空だった。





そう言えば、天気予報でも昼から雨だって言ってたっけ。






映美佳の言葉を聞いて、窓の外を眺めた。





ついに雨粒が落ちてきたみたいで、窓の外のグラウンドの土が少しずつ濡れ始め、みるみるうちに濃い色に変わっていった。








「次の授業は…、国語か。…あれ?もしかしてさぁ、ワークの宿題、今日が締め切りだった?」



「うん、そうだよ。え?映美佳…忘れてたの?」



「うっそぉ!やばーーー!!」






私の言葉にいきなり慌て始めた映美佳は、急いで自分の席に戻って行った。






うわぁ…、あんなに映美佳が慌てる様子、かなり珍しいかも。








そのまま机の中から国語のワークを取り出して、急いで問題に取りかかり始めた映美佳の様子を一通り見た後、急に一人になってしまったことに気が付いた。





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