引っ込み思案な恋心。-2nd
知らない女子だ…。
Y小出身の子なのかな?
でも…、どうして私のことを知ってるの?
ふとそんな疑問が一番に浮かんだんだけど、知らない人だから緊張しちゃって、上手く言葉にならない。
すると彼女は、「ふふっ」と余裕を含めたような笑みを見せた。
「瀬川の彼女、だよね?」
「え…、まあ……」
そんなことまで知ってるの?
何で私のこと、そんな一方的に知ってるんだろう…。
そんなに私と拓のこと、噂になってるの?
「ちょっと、松沢さん!柚に何か用事なの?」
そこに会話に加わったのは、私の腕を掴んだままのあかねちゃんだった。
「えー?だってさぁ、瀬川の彼女なんでしょ?気になるじゃん」
「別に松沢さんには関係ないじゃん」
「……ふーーーん。何か、瀬川がすごく目立つのに、こんなコが彼女なんてね〜。近くで見てもやっぱり意外だわ」
「柚をからかわないでよ。友達として許さないよ。行こう、柚」
あかねちゃんがそう吐き捨てながら掴まれた私の腕をそのまま引っ張ろうとした……
その時。
「釣り合わないよ。杉田さんだって本当は気付いてるんでしょ?」
彼女の言葉が、まるで私の心に矢のように、真っ直ぐ突き刺さってきた。
キレイに刺さりすぎて、痛いとか感じる余裕もないくらいに。