引っ込み思案な恋心。-2nd





あかねちゃんに引っ張られて、私は自分の教室の前まで歩いてきた。






「ななっぺね、守ってくれてるんだよ」



「どういうこと?」






あかねちゃんの言葉が理解できない。






拓と楽しそうに話してたのに、『守ってる』って…意味が分かんないよ。







「さっきの松沢さん。瀬川に急接近してるんだよね」



「…えっ!?」






松沢さん…、さっきから私に突っかかってきて何かおかしいと思ってたけど……






ななっぺじゃなくて…松沢さんが拓のことを好きだってこと!?







「ゴメン。瀬川のコト見張ってるって約束したのに。ホントに急だったんだ。気付いたらよく二人で話してるみたいだったから…」



「でも…拓は別に松沢さんのことは何とも思ってないんだよね?」



「たぶん。でもとりあえず私とななっぺで柚を守ろうって考えて、二人で交替で瀬川が松沢さんと話さないように頑張ってたんだけど…」



「それでななっぺと拓が話してたんだ……」







拓と松沢さんを二人にしないために。





あかねちゃんとななっぺが頑張ってくれてたんだ…。






なのに私、そんな事情とか全然考えないで、何勝手に不安に思ってたんだろう?





どうしてななっぺのこと、信じてあげなかったんだろう?





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