引っ込み思案な恋心。-2nd
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「松沢里菜……。その子、1年の時同じクラスだったよ?」
「あっ、私も知ってるかも。足が速いコだよね?確か陸上部…?」
その日の6時間目がたまたま自習になった。
そこですでに私の異変に気付いていたらしい映美佳が、あゆを誘って私の席に来てくれた。
私は映美佳に促されるまま、とりあえず昼休みの出来事を二人に話した。
「…あゆも知ってたの?」
「うん。ほら、1年の時の体育祭。私リレーの選手だったでしょ?松沢さんも選手だったから、チェックしてたんだよね〜」
「……てことは、松沢さんのこと知らなかったの、私だけ…?」
何か、改めて自分の世界の小ささに気付いた気がする。。。
こんな時、余計にこんな性格が悲しい。
「でもさ、1年の時のことしか言えないけど、松沢さん普通だったよ?そんな他人にズケズケ言うような感じじゃないと思ってたけど…」
「うん、それ、あかねちゃんも言ってた…」
映美佳とあかねちゃんの言う通り、本当に松沢さんがそんなことを言う人じゃないのなら、何で私にはそんな態度を取ったの…?
さっきのショックがまだ引きずってる。
拓とも話せない状況だし…、生まれてくる不安は消えることがない。