引っ込み思案な恋心。-2nd

―――――
――










「松沢里菜……。その子、1年の時同じクラスだったよ?」



「あっ、私も知ってるかも。足が速いコだよね?確か陸上部…?」






その日の6時間目がたまたま自習になった。





そこですでに私の異変に気付いていたらしい映美佳が、あゆを誘って私の席に来てくれた。





私は映美佳に促されるまま、とりあえず昼休みの出来事を二人に話した。






「…あゆも知ってたの?」



「うん。ほら、1年の時の体育祭。私リレーの選手だったでしょ?松沢さんも選手だったから、チェックしてたんだよね〜」



「……てことは、松沢さんのこと知らなかったの、私だけ…?」






何か、改めて自分の世界の小ささに気付いた気がする。。。





こんな時、余計にこんな性格が悲しい。






「でもさ、1年の時のことしか言えないけど、松沢さん普通だったよ?そんな他人にズケズケ言うような感じじゃないと思ってたけど…」



「うん、それ、あかねちゃんも言ってた…」






映美佳とあかねちゃんの言う通り、本当に松沢さんがそんなことを言う人じゃないのなら、何で私にはそんな態度を取ったの…?






さっきのショックがまだ引きずってる。






拓とも話せない状況だし…、生まれてくる不安は消えることがない。





< 60 / 270 >

この作品をシェア

pagetop