引っ込み思案な恋心。-2nd
「私、拓と仲直りしようと思って。だから話をしようと思って……」
「ああ、昼休み松沢さんに言われたから?あかねちゃんが自分のことのように怒りながら言ってたよ」
「そしたら用事があるって言われて…。松沢さんと行っちゃって……」
こんな言葉で伝わってるのかな…?
上手く説明することができないよ。
「じゃあ…、瀬川は彼女の柚より松沢さんを取ったってこと?やっぱり信じられないかも。瀬川…そんなヤツじゃないと思ってたのに」
「もう…どうしたらいいんだろう?拓に話し掛けてもこんな感じだし……」
「柚は頑張ったよ。柚は悪くない。でも瀬川…、何考えてるのか全然分かんないなあ」
すると、私の前にピンクのハンカチが差し出された。
「…使って?返すのはいつでもいいから」
「ありがとう…」
ななっぺは、こんな私の下手な話でもちゃんと聞いてくれた。
…こんな優しいななっぺを、昼休み、一瞬だけ疑ってしまった自分が情けない。
「あっ、雨だいぶ弱くなったみたいだね。今のうちに帰った方がいいんじゃない?柚の家、遠いんでしょ?」
「うん…」
「不安なのは分かるけど、気はしっかり持ってね」
「ありがと…」
「ほら。靴箱まで一緒に行こう?」
ななっぺに手を取ってもらい、私は立ち上がって荷物を持ち、3組の教室を出てゆっくり歩き始めた。
不安が絶望へと変わっていくのが分かる。
これから私と拓…、どうなっちゃうんだろう?
……まさか、別れちゃうのかな?
いやだよ、想像したくない。
何も話が出来ないまま、別れたくなんてないよ……!