引っ込み思案な恋心。-2nd
何でこんなにあっさり言っちゃったの!?
ほら、拓の怒りが更に増してるんだけど…。
けど、そんな拓の表情にも全く構うことなく、倉本くんは言葉を続けた。
「杉田に告ったよ。拓やめて俺に乗り換えねーかって。だってお前、このままあの話飲んだら……」
「待てよ!…それ以上言うな。ちゃんと柚には俺から話すから………何も言うな」
え?
『このままあの話飲んだら』…?
何で倉本くんのこの言葉に、拓が急にこんなに焦ってるの…?
何かあることだけは分かったけど…
話の全容が全然見えてこない。
すると倉本くんは、大きく息を吐いて拓の方を見た。
「…分かったよ。やっと拓も杉田に話す気になったんだな。だったら帰る」
「ああ。今から話すから。…だから柚には近付くな。柚は渡さない」
「それはどーだかなぁ。なあ杉田。俺、待ってるから。返事、いつでもいーからちょーだい」
「え?倉本くん……?」