引っ込み思案な恋心。-2nd





「すげー松沢に説得された。ほぼ毎日陸上部のコトばっかり言ってくるし…、さすがに考えないと悪いよな」




「じゃあ…、松沢さんと一緒に帰ったのは…?」




「ああ、あの時?あれは帰ったんじゃなくて、陸上部の人達の話を聞きに行ってただけ。ちょうどあの日、雨だっただろ?だから練習も休みだから、色々話がしやすいって松沢に誘われて……」







そういえばあの日は雨だったような。。。





だから松沢さん、あんなに強引に拓のこと引っ張って行っちゃったんだ。






「でも…、いい加減松沢に返事しようと思って。柚とこれ以上距離を作るわけにはいかないと思ってた。ホントはテスト終わってから言おうと思ってたんだけど…」






そう言った後、拓は上を向いて大きく息を吐いた。






…拓、自分の中で答えを出したんだ。





だから…、私にきちんと話そうと思ったんだね。








「陸上部に、入部しようと思う」








拓の目は、とても真剣だった。





長い間……、本当に一生懸命考えた答えなんだと、私もすぐに確信した。






「もちろんいきなりは大会とか出れないから、夏休みはほぼ毎日部活でトレーニングしないといけなくなる。だから…、柚と今までみたいに会えなくなると思う」




「それが拓の決めたことなら、応援するよ。でも…、誘われたとはいえ、どうしていきなり…?」





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