引っ込み思案な恋心。-2nd
私もそう決意した時、拓が微笑んでくれた。
そして次の瞬間、拓は私と手をつないだまま顔を崩して座り込んだ。
「…やっと柚に全部話せたぁ〜。柚と話せないと、やっぱりモヤモヤするよな。しかもマサに取られそうになるし」
「あっ、倉本くん。返事しなきゃ」
「アイツ…、マジで柚狙いだとは思わなかったな。親友だと思ってたから、油断してた」
「…どうしよう?拓と倉本くんの仲もあるし、変に突っぱねることもできないし……」
「いや、アイツは確信犯だな」
「え?」
いきなり拓につながれた手を引っ張られて、私もしゃがみ込むコトになった。
こんな強引な感じの拓も久しぶりで少しドキドキしてる…。
「柚のコトが好きで…心配だったからこそ、俺と仲直りさせたかったんだと思う。…じゃないと、いちいち俺なんか呼び出さなくてもいーわけだろ?」
「あ…、そっか。え?じゃあ、倉本くんが私に言った言葉って…?」
「あれはマジなんだろうけど…、自分の気持ちを上手く利用してわざと俺怒らせて、柚にちゃんと本当のコトを説明させようとしたんだと思う。そういう意味ではアイツにしてやられたって感じだな」
「あれは、倉本くんの優しさだったんだね…」
とても分かりにくかったけど…
倉本くんも、拓と話せなくて辛い思いをしている私のこと、心配してくれてたんだ──。
「………こんなに柚と顔近いと、また俺変な気起こしそう」
「え!?」
いきなり拓にそんなことを言われて、心臓が跳ねた。