引っ込み思案な恋心。-2nd





そう言われてみれば…




こんな広い教室で二人しかいないのに、二人して後ろの方でしゃがみ込んで……






そんな状況に気付いてしまい、体温が急上昇するのを感じる。





ドキドキが止まってくれないよ。。。









すると拓が「ぷぷぷ」と笑い始めた。






「え?何で笑うの?」



「ごめん。今のウソウソ。俺、柚の気持ちが準備できるまでは手ぇつなぐ以上のことはしねえから」






えええーーーっ!?



私、からかわれた…?






「もう。すごく焦ったんだから」



「わりいわりい。でも準備できたら言ってな?俺はいつでもオッケーだから♪」



「またからかうー」






やっと二人で笑えた。





もう大丈夫。



やっと安心できるよ。









「さてと。そろそろ帰るか〜。柚の荷物、あの机に乗ってるヤツ?久しぶりに家まで送るよ」



「あ、うん」






拓が私と手をつないだまま立ち上がり、そのまま荷物が置かれた私の席まで向かった。





私も拓に引っ張られる形で立ち上がって、机と机の間を縫って歩く。






その時に、急にあることを思い出した。






「…あっ!ちょっと待って、拓」



「え?どした???」



「私、数学の問題で分かんない所があったから、先生に聞きに行こうと思ってたんだった!今から聞いてくるから、ちょっと待ってて!!」



「マジかよ!?」










慌てて職員室に向かう途中の廊下の窓から差し込む光が、私の目に見える全ての光景をオレンジに染める。






もうすぐ日暮れなのかな…?






拓が待ってるから、できるだけ手早く済ませようと心に誓い、私はようやくたどり着いた職員室のドアをゆっくりと開けた。













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