引っ込み思案な恋心。-2nd
06☆夏の初めの小さな不安
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梅雨が明けたらしく、お昼真っ盛りの太陽の光がまぶしい。
私の前を駆ける半袖の白い制服にもその光が反射して、私は思わず目を細めた。
「やったぁ〜〜〜!明日から夏休み!!嬉しーよね、柚!」
彼女が嬉しくて走り過ぎたものだから私と少し距離ができた……と思ったら、彼女は不意に振り向いて、にっこりとその笑顔を私に見せてきた。
「待ってよ、あかねちゃん!追いつかないよ」
「すっごく楽しみ〜♪何しよっかなー」
「…ていうか」
「えっ?」
やっとのことであかねちゃんに追いついて、私は少し息を切らせながら言った。
「夏期講習。忘れないでね」
「あ〜〜。……まっ、頑張るかぁ」
ちょっと走っただけで汗だくになるような暑さ。
…そう。
今日私とあかねちゃんは、1学期の終業式を終えて家に帰っているところ。
期末テストが終わってすぐに、拓はあの日の宣言通り陸上部に入部した。
夏休み明けの大会出場に向けて、週2回の朝練と、放課後はほぼ毎日トレーニング。
週末も日曜日は近くの総合公園でトレーニングしてるみたいで、結局私と拓がまともに会えるのは土曜日ぐらいしかなくなってしまった。
もちろん、夏休み中のトレーニングの予定もビッチリ詰め込まれていて、週1も会えるかどうか微妙になっていた。
拓の応援はしたいけど、やっぱり会えないのは寂しいな…
そんなことを考え始めていた時、いきなりあかねちゃんから『塾に通わない?』と提案された。