引っ込み思案な恋心。-2nd





遠い将来のことはやっぱりまだ決められないけど、高校のことなら今から考えられる。





とにかくどんな高校があるのか、どういう高校が私と拓に合っているのか…





それを調べるためにも、塾に通おうと決意したんだ。









階段で3階まで上がり、たどり着いたAクラスの扉を開けると、いきなり見慣れた顔が私の視界に飛び込んできた。






「くっ…、倉本くん!?」



「…あれ、杉田?なんで塾なんかにいんだよ」






授業が始まる前なので、まだ自由な時間のハズなんだけど…





このクラスは成績優秀者が集まっているからなのか、大半の人は静かに自習をしているみたいだった。





だけど、前の方の席に座る倉本くんは、足を組んで携帯をいじっていたところのようで……。






「いや…その…、あかねちゃんに誘われて。……というか、倉本くん……、えっ、えっ…えー……」



「何で俺がAクラスにいるのかって聞きたいのかよ?」






教室には人が多数いるはずなのに、倉本くんの声がやけに大きく響いた。






わわわっ。



そんなにストレートに聞き返されると、こっちが恥ずかしいかも。






確かにそれが一番疑問に思ったけど、さすがに聞くのは失礼かなと思ってみたりしたから。。。






でもそんな私の気持ちが簡単に倉本くんに伝わってしまったらしい。






「ごっ、ごめん。ちょっと意外な感じがしただけだから…」



「教えてやるよ。これも杉田のおかげだから」



「え?私…?」



「まあ座れよ」



「あ、うん…」





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