ハッピーエンドじゃ終われない【短編】
「あんまりこの子を怖がらせるなよ。次やったら刺すぞ」
そしてポケットから出したカッターの刃をちらつかせる。
「ひっ…」
「まぁ何なら今刺してやってもいいけどね」
そう言ってくすくす笑うが肝心の目は全く笑っていない。
言われてるのは私じゃないのに
それでもひんやりと嫌な汗が伝うくらいに冷たい彼の瞳。
「ああ……それと」
ついでとばかりに胸ポケットから出した名刺を彼は新堀に渡した。