ハッピーエンドじゃ終われない【短編】
「しばらくキスはしない」
そう言って彼は意地悪く笑った。
「そんなに簡単にハッピーエンドにしてやると思うなよ」
その態度にその台詞に私は口を尖らせて抗議した。
「さっきと言ってること違うじゃない!」
すると彼は吹き出して
キスの代わりにくしゃっと私の頭を撫でた。
「ハッピーエンドは嫌いなんだ」
その台詞に私は悟る。
これはもしかしなくても――…
「ハッピーエンドじゃ
終われない……?」
不敵な笑みを浮かべる彼に、今度こそ私は心中よりも危険な何かを感じたのだった。
END.