イジメ・体罰・虐待~私の受けてきた暴言暴力~
 「授業はちゃんと出たいから行こうか?!」

 「うん、そうだね!」

 私たちはエレベーターに近い6Fの坂田先生の研究室から1Fへ降りるのは

危険だと察知し、奥の非常階段から全速力で1階へと駆け下りた。

 加賀より早く教室に着くはずだった。

 そして・・・

 教室へと続く階段を登ろうと6段ほど登っていると、階段の上に人影が見えた。

 ふと顔を上げると・・・・



 加賀がナイフを持ってニヤリと笑い、階段の上で私たちを待ち構えていた。

 私たちのほうが先に出てきたんだから私たちのほうが着くの早いはずなのに

なんで??

 恐怖で身体が硬直した。それと同時に命の危険を察した私と心理学科生は

さっきの倍のスピードの猛ダッシュで階段を走り降り、今度は麗欄の校門を

出るまで後ろを振り向かず猛ダッシュした。

 加賀はついて来なかった。

 「フ~」

 「ヒー」

 「ハーハー」

 「ハーハー。」

 「ちょっと何アレ?」

 「ハー、何なの??」
 
 「何?」

 「何なの?」

 あまりの恐怖と加賀の不思議な行動、息切れで会話があまり成立

していなかった事を今は面白く思うが、当時は、もう必死だった。
< 281 / 550 >

この作品をシェア

pagetop