すれ違い恋愛
ありえない偶然
散々怒られて約10分。
不機嫌モードだった吉高は、櫻井さん?の名前を出した途端、コロリと態度が変わった。
女の子大好きってのも、たまには役に立つもんだな。
『さて、結愛ちゃんはどこかなー?』
一年七組の教室のドアに張り付きながら、キョロキョロと辺りを見回す吉高。
本物の櫻井さんを見るのはあいつも初めてらしく、無駄にテンションが高い。
『おー!千早、あの子じゃね?』
「俺もそーだと思う」
早くあの子を探したい俺としては、櫻井さんなんて正直どーでもよくて。
思いっきり棒読みで言ってやった。