すれ違い恋愛
『はいっじゃー行くぞ!』
あ。またテンション変わってる。
こいつの心の中って忙しいな。俺が吉高だったら早死にしそう。
そんなどーでもいいことを考えながら、ようやく俺もゆっくりと足を動かす。
吉高が教室に足を踏み入れた瞬間、辺りがシーンと静まりかえった。
そして、続いて俺が入るとクラスの全員と言える視線が俺らに集まった。
え、なに?めっちゃ見られてるんですけど。
あー…、吉高か。あいつ結構モテるもんな。
『櫻井結愛ちゃんだよね?』
シーンとした空気を崩すように、明るい吉高の声が教室に響く。
『あの…?』
見つかったのか?早くハンカチ返して寝たい。
ん?
今の声ってーー…