すれ違い恋愛
自分自身に戸惑う。こんなに心が疼く感情、俺は知らない。
『同じ高校だったんですね』
ふわり、と笑う彼女。
…可愛い。
それにつられるように、俺も口を緩めた。
「櫻井結愛、って名前だよな?」
吉高を疑っているわけじゃないけど、人違いだったら恥ずかしすぎるから、一応確認。
『えと、はい』
その返答に安心して、ハンカチを渡す。
「これ、落としてた」
『ありがとうございます!これ、お気に入りで探してたんです!』
名前大きく書いといて良かった、とまた笑う彼女はやっぱり可愛かった。