アストロイズム

侍心





――あれから1週間が経った。

そしてあの山田君が可哀想なことに。



美少年で内気で1週間のうちに披露した頭の良さに坂井君は大人気。


もちろん女子視点での意味だけど…。


それで山田君が可哀想っていうのは、何と平野さんまでもが坂井君にベタ惚れしているから。


だからといって何か変わった様子はないんだけど。

あたし的には結構かなり残念。


自分のことじゃないけど溜め息を吐いたあたしはそのまま隣の席があるはずの所で並みになる女子たちに視線を向けた。



「そういえば坂井くんの眉毛って綺麗だよね??」


「あ、ホントだ!!本当素材が良すぎる~」


「…えっと、そんなにくっ付かないで…」


「キャー!否定の仕方かわいー!!?」



黄色い声をキャーキャー上げる彼女たちに指で耳栓をする。


中からもがくように上に伸びてきた学ランの袖を纏った腕はきっと坂井君の物。


助けたいけど女子を敵にはしたくないのでこの場で待機。


ただ早くチャイムが鳴ってくれるのを待つだけ。


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