アストロイズム
Stage1
女の子な転入生
「じ、実は、ね。私…山田君が好きなんだ」
照れながらそう言った彼女にあたしは盛大なる溜め息のようなものを零した。
決してオドオドしている彼女がウザいわけでもなく。嫌気が差したわけでもない。
顔を赤らめてそう明かした途端ちょっとだけ黄色くなる空気。
この時できる沈黙が大好き。…だって、面白い。
元々小学生の頃から人の恋にはよく突っ込む気質のあたしは今の話を聞くだけで背筋がゾクッと震え上がる感覚。
『平野ちゃん!!絶対叶う為に頑張ってね!』
拳を握ってそう叫んだあたしを一瞥してからニッコリと微笑む、平野さん。
まぁ、もとい今さっき好きな人を明かしていた"彼女"。
筋金入りの恋バナ好きは、絶対に直らない癖にも似たもの。