アストロイズム
「それじゃあ、坂井君は……水梨(ミズナシ)さんの隣が空いてるから…。クラスをまずは分かるように、窓側の一番後ろに座ってくれる?」
「…はい…」
言い忘れていたけれど、あたしの名前は水梨 世奈(セナ)で、窓側から2列目の女子の列最後。
つまり先生が指摘した席=あたしの隣の席…ってことになる。
…ある日突然美少年が現れて、そんな彼が自分の席の隣に座って、こんなまるで運命的なこと…現実にもあったんだ…。って感じだ。
ゆっくりと歩いてきた彼はそのままイスに腰を下ろして、ふぅ、と小さく溜め息。
どれだけアガリ症なんだろう…なんて思ったけど転入生だから仕方ない…。
いや、それにしても本当に女の子だ。
この席に歩いてくるまでに特に女子たちから色っぽい視線をかなり向けられていた。