はつこい―君が笑ってますように。―
よくよく考えれば、
高校に合格して、
勉強をみてもらう必要がなくなってから、
のようにも思える。


だって、これまでずっと一緒にいたのに、
いくら忙しいからといって、
家でもほとんど顔を合わせられないなんて、
おかしい。



そんな思いが膨らんだまま夏休みに入り、
私は毎日、予備校と家との往復で、
それまでに増して、勉強勉強勉強で
頭が破裂しそうだった。



そんなある日、
予備校から帰ると、珍しくママもパパもいなくて、
さらに珍しいことに、
東くんが一人、リビングでテレビを見ていた。


テレビから目を離さずに
「おかえり。」
と言う東くんに、
私は反射的に話しかけた。
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