はつこい―君が笑ってますように。―
「けど、その人にも好きな人がいて、
俺は年下だし、
何一つ自信なんてなかった。

でもひとつだけ、
東吾さんに勝てると思っているものがあった。
それは、
その人を想う気持ち。

けど、それも違ったんだ。
東吾さんは誰よりその人を想っていた。
いつも、すべて、その人のために行動してた。
諦めさせることでさえ。

俺はきっと、
どんなことをしても、
東吾さんには敵わない。

けどせめて、
その人には素直に行動してほしいと思う。
後悔しないように。」


康くんは、すべて知っていることを悟った。
私を行かせようとしてくれていることも。

「でも…」


「誰にどう思われようと、
関係ないだろ。
周りの誰にも、
もちろん俺にも。」


ちょうど最終のバスが来た。
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