はつこい―君が笑ってますように。―
これまで6年生中心だったのが、
引退を前に5年生の田野くんが試合に出ることになった。


その直前の練習の日、
練習が終わり、私が東くんと帰ろうとしていた時、
田野くんに呼び止められた。



「今度の試合、あなたのためにホームラン打ちます。」


それだけ言うと、
顔を真っ赤にして逃げていった。



私がぽかんとしていると、
東くんが笑い出した。


「すごいな。
まっすぐな愛の告白。」



ああ、そっか。
今のは、愛の告白か。



そう思うと、顔が熱くなるのを感じた。
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