はつこい―君が笑ってますように。―
試合の日。
パパや田野くんたちのチームは負けた。

3対1。


けれど、田野くんは予告通り、
ホームランを打った。



それが唯一の得点。



田野くんは、試合後パパに褒められて、
誇らしげに、
そして照れたように笑っていた。


私と目が合うと、顔を真っ赤にして逸らしてしまったけれど。



東くんはにこにこ笑って、田野くんを見ていた。

私はそれが、何だかすごく嫌だったけど、
東くんには言わなかった。
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