アイラブユーの定理


「起きて!!」

「んぁ!??」


翌朝、ソファーで眠る彼を叩き起こし、彼の目の前にあるものを差し出した。


「何これ…?」

「あなたのパスポート。」


私の準備は、万端だった。


「パスポートって…何お前の荷物!?」


私の足元には、ずっしりと膨らんだ旅行用のバッグ。


そう。
私は決意したんだ。


「行くのよ!!世界へ!!」

「はぁ!?」


寝グセついた彼は、まだ寝ぼけたような顔だ。そんな所も、世界で1番大好き。


付き合えた事が奇跡であって、もしかしたら私は、ここまでの愛情を知らずに、生きていたのかもしれない。


その偶然に、そして何より、私を受け入れてくれた彼に感謝したい。




だから私は探しに行くんだ。




世界中の人に会って、


やっぱり彼が
運命の人なんだと
確信するために。








「探すのよ!!アイラブユーの定理を!!」








これは、
彼氏を愛しすぎた
彼女による、


ぶっ飛んだ愛の物語。


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