最初はぐー


中学に入学して少したった頃。


学校帰りに弦が家に来たことがあった。


別にいつものことだったし、宿題やろうとかそんな感じだった気がする。



部屋でごろごろしていたあたし。

横で宿題に手をつける弦。



「宿題やんないの?」

「弦が帰ったらやるもん。」

「見せてって言っても見せないからな。」

「弦のなんて借りないもんねーだ。」



そんな会話をして、しばらくシャーペンをカリカリ滑らす音を聞きながら、あたしは枕に頭を預けて眠りに誘われていった。



でも、完全に意識を失う手前。

ギシッという音が響き、自分とは別の重みでベッドが軋んだんだ。




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