最初はぐー

桜さんにいらんの一言を返信し、携帯を閉じたのとほぼ同時に前のドアが開いた。


「お、ちゃんといた。」


聞こえてくるのはだるそうな弦の声。


あんな脅迫文突き付けられて帰る勇気はあたしにはありません。


「朝のメール、なに?馬鹿ってひどくない?」

「あんたは馬鹿でしょ。今も昔も。」



何考えてるかわかりゃしない。



「そんなこと言うの真樹くらいだよ?」

「みんな頭悪いからわからないんじゃない?」


鼻で笑ってやると、嬉しそうに口角を上げる弦。



「真樹だって馬鹿だろ。」

「うるせ。」



どーせ馬鹿だよ。

弦と話すだけでこんなに口元が緩んじゃう。



桜さんの指定席に座る弦の袖をツンと引っ張った。



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