漫才から始まる
あれからやっぱり千秋のことを思っている。
よし、本人に聞こう
私は、聞いた、千秋に単刀直入に…
「ねぇ千秋…好きな人いるの?」
千秋の目は、まん丸。
「ちょっと…え…来て!こっち!」
私の腕を千秋は引っ張る。そして、誰もいない教室に来た。
「いきなりそーいうこと聞かないでよ、びっくりする…から。」
「それはまじ悪い…」
「いるよ…好きな人。」
固まった…マジかよ…
「それは、お笑いよりも?」
「お笑いとは比べちゃダメだよ~」
「で、誰なの?」
「大野先生…」
ドキッ
え…なんだろうこの気持ちは…
「えっまじで~そりゃ~少しは他の人よりはかっこいいけど…結婚してるでしょ…」
「わかってるよ~でも私、先生のこと、好き。」
千秋の目はあのキラキラした輝いてる目だった。
「そう、それはよかったねでも、漫才は、しっかりね!じゃ~」
走った。
走った。
カバンをチャリンコのかごに乗っけて。
「なんなんだよこの気持ちは!!」
いつもと同じ堤防に座った。
取られた…
千秋を?
わかんない…
なんか違う!
そうじゃなくて……なんかもっと複雑な感情…
苦しくてどこにも逃げ場がないような感情…
これってなんだろう…
わたし…わかんないや…